ロスト・イン・トランスレーション(原題:Lost In Translation)

 


ハリウッド俳優で、ウィスキーのCM撮影の為に来日したボブ・ハリス。

1人で来日したのに、時かまわずに妻から送られてくるFAXや、時差ボケ、そして力不足の通訳によって、彼はなんだかとってもナーバス。

 写真家である夫の仕事に同行して来日したシャーロットも、夫の仕事の為に一緒に過ごす時間が取れずに孤独と不安とで、やっぱりナーバス。そんな2人は同じホテルに泊まっていて、偶然出会って打ち解けていく。そんな映画です。

 

 この映画、お互い伴侶がいる者同士の恋愛感情部分を主眼に置いているのだとしたら、物凄く物足りない作品だったと思います。最後は非常にあっさりと終わっていってしまいますしね。でも、舞台が東京であるこの映画は、日本人は全然別の意味で楽しむ事が出来ます。飲み屋やカラオケで遊ぶ若者達の様子。ゲームセンターの様子。パチンコ屋の内部。病院で言葉が伝わらなくて苦労する様子。しゃぶしゃぶに行ってメニューを見ても、違いが一切分からない様子。日本のワケの分からない司会者のトーク番組に出演して呆然とする様子。どのシーンも、軽いコメディとして楽しめてしまうのですよね。多分、本場アメリカではこの映画の笑いポイントの大半は笑えないのではないでしょうか。

 

 日本の様々な文化に触れながら絆を深めていくボブとシャーロット。しかし、2人はそれぞれの人生を既に歩んでいるのですから、別れの時は容赦なくやって来ます。そしてさようなら。でも、このストーリー展開なら、この終わり方が最も無難でしょう。・・・うん、これで良いんじゃないかな?

 

 ゲームが好きで、良くゲームセンターに足を運ぶ僕としては、ゲームセンターのシーンが面白かったです。

コナミポップンミュージックを、ダンスしながらプレイしていた彼は一体何者だったのでしょうか。多分名も無きエキストラなんでしょうけど、彼は自分がアカデミー賞受賞作品に出ている事を知っているのでしょうかねぇ。

 

 

2004年5月30日鑑賞


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